オーガニックって何?基本的な考え方やメリット・デメリットをわかりやすく解説!

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最近では、近所のスーパーでも有機野菜をはじめとしたオーガニック商品を手軽に購入できるようになりました。

少しずつ私たちの生活にも定着してきた「オーガニック」について「何となく環境に良い、体にとって良い」というのはイメージできても、オーガニックの定義やなぜ注目されているのかなど、わからない事も多いのではないでしょうか。

ひよこ君

「とりあえず体に良さそう」ってことだけしかわからないんだよね。

あくえり先生

初めはそんな感じで大丈夫!他にもメリットは沢山あるから、深く知っていくと更に好きになると思うよ!

この記事では、オーガニックとはそもそも一体どういう意味なのか、どのように生活に取り入れたら良いのか、そして日本のオーガニック環境はこれからどうなっていくのかについても網羅的に解説していきます。皆さんの生活に実際にお役立ていただける有益な情報をまとめていますので、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。

目次

オーガニックとは?

ひよこ君

そもそも、オーガニックってどういう意味なんだろう?

オーガニック(Organic)とは、日本語で「有機」と訳すことができます。「本来の〜」「〜の源」といった語源から生まれた言葉ですね。その語源の通り、化学肥料や合成農薬になるべく頼らずに、自然が持つ本来の力を活かした生産や加工の方法を指します。

よく、オーガニックと有機って何が違うの?と聞かれることも多いですが、オーガニック=有機なので、同じ意味の言葉です。ですので、例えば「有機野菜」と言うとオーガニックな方法・環境で生産された野菜という事です。

あくえり先生

日本ではまだまだこれからの市場だけど、海外では数十兆円規模の経済規模が試算されていて、アメリカを中心に既にビッグトレンドになっているんだよね。

ひよこ君

そんなに!?

日本では「少しずつ聞くようになったな」という感覚だと思うのですが、農林水産省が公表しているデータでは2020年時点の世界のオーガニック食品市場は14.2兆円とのことで、世界全体として注目されているということがわかります。

あくえり先生

SDGsみたいに、海外でトレンドになる動きは日本にも数年遅れでやってくる傾向だから、これから日本でも注目が集まっていくだろうね。

オーガニックのメリット

さて、そんな世界で注目が集まるオーガニックというテーマですが、なぜ注目されているのでしょうか。本記事では大きく2つに分けてご紹介します。

あくえり先生

細かいことはいっぱいあるんだけど、わかりやすくまとめてみるよ!

地球環境への配慮

オーガニックの考え方、その一丁目一番地の大原則は、自然と共生すること、そして持続可能な方法で生産することです。

あくえり先生

なんだか難しく聞こえるかもしれませんが、シンプルに「地球を今よりも大切にしていこう」という意思表示のようなものだね。

人類はこれまで大きな進歩を遂げてきましたが、その発展の過程で残念ながら地球環境に悪影響を与えてしまった事実も否定できません。人間が環境そのものを変えてしまったことで絶滅するような生物も多くいるのが現状です。

その原因となるものは様々ありますが、例えば農業分野においては農薬や化学肥料の使用は土壌汚染の原因とされています。このまま土壌汚染が続けば将来の農業環境もそれに伴って悪化していくことにつながるため、農薬や化学肥料を使わない生産を推進しようとオーガニックな生産方法を通じて収穫できたものが「有機野菜」です。

このように、このまま環境を悪化させ続けることは未来のこの世界において大きな負債となることは明らかですから、この現状を変えよう!もっと環境に配慮して将来も持続的に生産できる環境を守っていこう!という思想に基づいた生産活動がいわゆる「オーガニック」と呼ばれているものになります。

ひよこ君

未来の地球に住むみんなのためにも、良い環境を守ろう!って事なんだね。

あくえり先生

これは補足だけど、農薬や化学肥料が全てダメってわけじゃないことは理解しておいてほしい。そういった薬品のおかげで害虫被害が抑えられたり形や大きさが統一できたりするんだよね。

ひよこ君

流通量が増えることで価格も安くできるよね。
今安く野菜を買えてるのは農薬のおかげでもあるんだね。

ひよこ君

オーガニックの基本的な考え方はわかったんだけど、もう少し具体的に知りたいな。僕たちや生産者の人はこれからどうなな風に変わっていくんだろう?

あくえり先生

具体的な行動に落とすのはそれぞれの生産者や消費者ベースで異なるけれど、IFOAM(国際有機農業運動連盟)が掲げる4つの原理が参考になりそうだね。

有機農業の普及活動を世界規模で実施しているIFOAM(国際有機農業運動連盟)は、オーガニックの原則として「健康の原理」「生態的原理」「公正の原理」「配慮の原理」の4つの項目を掲げています。それぞれ見ていきましょう。

健康の原理

IFOAMが掲げる”健康”は、対象を人間のみにとどめません。作物が育つ土台である土壌、そして植物・動物、私たち人間を含め、まさに全ての自然環境を含む姿勢をとっています。

健康的な作物は栄養を含んだ健康な土壌からつくられ、それを食べた生き物が健康に育つ。自然環境はつながっているという前提のもと、そのつながりを阻害し、健康を害する恐れのある農薬や化学肥料、食品添加物などは使用されるべきではないという考えです。

生態的原理

農業や畜産は、生き物の生態系のなかに成り立つものです。

作物を育てるには栄養を含んだ健康な土壌が必要で、家畜を育てるには良い育成環境が欠かせません。そのため農畜産物の生産は、生態系のバランスに沿った自然の生態系を崩さないものであることが求められます。このバランスは北海道と沖縄で環境が全く異なるように地域ごとに異なるため、適地適作で地域の文化や環境に配慮することが求められます。

公正の原理

IFOAMが掲げる公正はフェアトレードの思想に近く、生産者、労働者、加工業者、流通業者、販売業者、消費者など、有機農業に関わるすべてのステークホルダーが公正であることを求めます。

有機農業は、世界中で問題になっている児童労働や植民地栽培などの問題撲滅に貢献するべきものと考えられているのです。

配慮の原理

配慮の原理とは、現代で完結することなく、次の世代の地球や自然に対して健康、幸福、環境に配慮しましょうという考え方です。有機農業において配慮に基づく新しい技術は評価され、配慮されない技術は見直されるべき、ということですね。

しかし私たちは農業や生態系についてその全てを理解しているわけではなく、だからこそ十分な配慮が求められます。例えば遺伝子組み換え技術などは健康や自然環境への影響がまだ予測しきれておらず、こういった技術は排除すべきだと考えられています。

こういった地球環境への配慮に基づき、土壌や水質の汚染・生物多様性の損失など、環境への負荷が大きい化学肥料や農薬をなるべく使用せず、遺伝子組み換え技術(GMO)を使用せず、自然の生態系を尊重した方法で生産されることが世界中で評価されており、オーガニック製品は今後さらに注目される存在になっていくことが予想されています。

ひよこ君

なるべく自然界の原理そのままに生産すること、環境を保全することを求めているんだね。

あくえり先生

これまでのような生産効率重視の考え方ではいけないという危機感が強くあるように思えるよね。

健康に対する危機感

そしてもう一つの理由は、農薬や化学薬品、食品添加物への懸念をはじめとする健康志向の高まりが挙げられます。

近年では、食品添加物を中心とする人工的な化学物質の使用が広まる一方で、その副作用や長期的な影響に対する懸念が高まり続けていると言えるでしょう。例えば即席カップ麺などは美味しくて毎日でも食べたいと思う人もいる一方で、商品添加物が大量に使用されており、健康への被害やその関連性が叫ばれています。

特に農産物の安全性を語る上で一番に取り上げられるのが「生産された農作物の残留農薬問題」です。人間の体は日々の食生活で構築されるという考え方が広まりつつある中、アメリカの研究では「普通の野菜を食べた子どもに比べて有機野菜を食べた子は化学成分の体内蓄積が少なかった」という報告もあり、オーガニックな製法は比較的安全とされるのが一般的な考えです。

こういった理由からも有機農法、オーガニック生産が注目を集めているというのが世界的なトレンドとなっているわけですね。

ひよこ君

何となく健康に良さそう!というイメージはこの辺りから来ているんだね。

あくえり先生

僕もそうだったんだけど、有機野菜を実際に食べてみると甘みが強く感じられたり美味しく感じられる人が多いと思うよ。栄養価が高いから健康に意識したい人にはぴったりな選択肢だね。

農薬は本当に良くないのか

このオーガニックは良い!という主張に関しては様々な意見がありますが、では農薬を全て禁止にすれば良いか?という話題は度々このテーマで語られるものの一つです。農薬は悪である、という考え方は本当に正しいものなのか、考えていきましょう。

農薬が必要とされる理由

ひよこ君

農薬や化学薬品が土壌汚染を引き起こしたり、使わない方が栄養価が高いんだったら、使わなければいいんじゃないの?

あくえり先生

そう簡単にはいかないのが難しいところなんだよね。僕も農薬に対して100%反対の立場ではないんだよ。この辺りの話もぜひ知ってほしい!

そもそも、なぜ農薬は使用されているのでしょうか。使わなくても良いなら使わないに越したことはないとも言えますが、実は大きなメリットがあるので現在も使われています。それは「生産量を安定させるため」です。

農業は人間の歴史の中でずっと昔から行われてきた営みですが、いわゆる農薬(化学肥料)の生成技術が発明されたのは20世紀初頭です。この時点の世界人口はおよそ16億人だったのに対して2023年現在では80億人を突破し、80年前に比べて約5倍まで増加していると言われています。この膨大な人口の食糧を供給するため、虫食いや劣悪な土壌環境でも効率よく生産することが求められ、農薬の研究開発と現場での使用は行われてきたという歴史があります。

実際に2021年4月、スリランカのラジャパクサ大統領(当時)が化学肥料や農薬を禁止したところ、施行から6カ月で米の収穫量は20%減少し、国内価格は50%も急騰する事態に陥ったという事例もあります。

私たちは日頃、安価で大量の農産物をスーパーで購入できるわけですが、それはつまり発展してきた生産技術や農薬を含む化学肥料の利用によって供給が支えられてきたわけですね。そのため農薬を完全に排除することは現在の社会情勢を鑑みても明らかに難しいと言われており、私たちはそれらと上手に付き合っていく必要があるのです。

ひよこ君

農薬があったおかげで僕たちは手頃な価格でご飯が食べられてたんだね…

あくえり先生

そうなんだ。仮に全世界の農業生産をオーガニック生産に一気に切り替えたら、おそらく1年と経たずに食糧危機になってしまうだろうね。
だからこそ僕たちは少なくとも現時点においては、農薬とも上手く付き合っていく必要があるんだ。

オーガニックは一つの解答になり得るか

そういった世界の食糧需要を支える供給量を確保する必要性、その結果として健康や自然への影響が懸念されている状況の中、オーガニックは一つの解決策として考えられるのでしょうか。

結論としては、まだ発展途上ではあるものの、オーガニックはそういった期待の対象として拡大しているということになるでしょう。

まず前提として「オーガニック≠無農薬、添加物を使っていない」ということはよく勘違いされる重要なポイントです。オーガニック商品には各国の認証機関から認証されたものにのみ、認証マークが付けられています。日本国内だと「有機JASマーク」がついている製品が認定されたオーガニック商品ですが、この認証は厳しい基準をクリアした農薬のみ使用を許可されています。

全く使用しないと供給量が安定しないという課題はあり、使用すれば健康や自然環境への不安が残ってしまう。その解決策として、一般よりも高い基準で審査をしているものがオーガニック商品ということですね。

あくえり先生

冒頭でも話した通り、海外を中心に拡大しているオーガニック市場。
世界的にその方向に進んでいきたいという思いと、今後の期待が混じったものだと考えられるね。

日本のオーガニック市場を取り巻く環境

さて、こういった様々な背景から世界中で拡大を見せているオーガニック市場ですが、私たちの住む日本ではどうでしょうか。ここからは日本のオーガニックに関する環境や取り組みの現在地を解説していきます。

拡大するオーガニック食品市場

日本国内の有機食品の市場規模は、2009年に民間団体による調査で「1300億円」とされてきた。農水省が2017年に消費者アンケート調査の結果をもとに、2009年調査と同様の推計方法によって有機食品の市場規模をはじき出したところ、「1850億円」だった。2009〜2017年の8年間で1.4倍の伸びを示している。

東洋経済オンラインより引用

イオントップバリュは2日、2025年までに農薬や化学肥料を使わずに栽培する有機食品のプライベートブランド(PB)の売上高を、22年の約3倍に当たる600億円に高める計画を発表した。国内有機食品市場で30%のシェアに相当するという。同社の土谷美津子社長は、「環境に優しい有機食品を買いたい消費者のニーズに応えていきたい」と強調した。

日本農業新聞より引用

日本の有機食品市場はここ数年で着実に成長しており、近所のスーパーでも有機野菜が買えるようになったり、ビオセボンなどオーガニック専門店が広がりを見せたりと、民間企業からも少しずつ盛り上がりを見せています。

あくえり先生

ビオセボンは健康志向の人にとってかなりの人気があるお店だね。家の近くにあるか、おすすめ商品などは下の関連記事を確認してみてね!

国内だけでもオーガニック市場はここ数年でさらに数倍に拡大すると言われており、今後より身近なものになっていくことが予想されます。

オーガニック生産のデメリット

ひよこ君

オーガニックって環境にも健康にも良いんだね!早く日本でも広まってくれないかなー!

あくえり先生

さっきも伝えたけれど、残念ながら今はまだ一気に拡大するのは難しいんだよね。ここからはオーガニック生産の難しさや、拡大するにあたってネックになるポイントを解説していくよ!

海外を中心に拡大しているとはいえ、この市場は順風満帆かと言えばそうでもないのが現状です。日本国内の有機農家の割合は2010年から比べると51%アップしているとは言うものの、2020年時点では農家全体の0.6%にとどまっています。

世界に比べても日本のオーガニックに対する取り組みは依然として消極的と言わざるを得ない状況ですが、なぜ日本は遅れをとっているのでしょうか。それは海外に比べて環境的な要因によるところが大きいと言われています。

生産者の負担が大きい

オーガニック栽培は通常の生産方法に比べて生産者への負担がかなり大きいと言われています。

有機栽培を行う場合には使用する農薬・肥料に厳しい規制がかかるため、求められる出荷量を確保するためには通常よりも生産性をさらに追求する必要があります。また、除草剤も使用することができないので周囲の雑草を間引くのにも人件費がかかります。新たな販路の拡大も大きな課題です。

そして最も負担として大きいと言われているのが認証にかかる手間やコストです。

そもそも「有機」と農産物に表記できるのは、有機JAS認証を取得した生産者のみです。この有機JAS認証を取得するには厳格な規定に従わなければならず、農薬や肥料以外にも農場の周辺環境や日々の栽培日誌作成など、広範囲にわたります。さらに認証を取得するための審査費用に加え、有機JASマーク表記のためのシール代やパッケージ代なども農家が負担することになっています。

こういった背景から、わざわざ手間とコストのかかるオーガニック生産に取り組もうという農家がまだまだ少ないのが現状です。

ひよこ君

なるほど、生産者の負担がかなり大きいんだね。

あくえり先生

だからこそ、敢えて今の環境で有機栽培や無農薬生産に取り組んでいる農家は相当な愛情と志を持って頑張ってくれているとも考えられるよね。

ひよこ君

確かに!頑張ってくれている農家さんは応援したくなる!

あくえり先生

僕も無農薬生産の農家を営んでいる友達がいるから、毎月お願いして買わせてもらってるんだよね。「買う」という行動は消費者からの感謝と応援の気持ちの表れでもあるんだ。

土地面積が少ない

もう一つの理由として、例えばアメリカのように大きな土地を持っている国に比べると日本は農業に使える土地が少ないことも原因の一つだと考えられています。更に、アメリカでは1社で広大な土地を保有しているといったケースもありますが、日本ではそういった農業で巨大に拡大しているような法人も少なく、個人経営の小規模な事業者がほとんどを占めています。

土地の面積が広ければその一部をオーガニック生産に切り替えたとしても生産量のバランスがとりやすいですが、個人経営の事業者であればそういった切り分けも難しいでしょう。ある程度の生産量を確保することに優先順位が置かれるのは決して悪いことではありませんので、そういった取り組みを支援する仕組みなどが今以上に必要になるでしょう。

あくえり先生

海外、特にアメリカなんかとは状況がそもそも違うってことだね。この点は日本にとって可能な方法やバランスを模索していきたいところ。

政府からの補助が少ない

そして上述した2つの問題をクリアするためには国や政府からのサポートが重要になります。現状では生産者の努力に頼っている部分が大きく、生産者の取り組みに対するメリットが少ないことが課題として挙がっています。

更にオーガニック生産は通常の生産方法に比べてもコストがかかるため、消費者がそのコストを負担する形になっています。これに関しても生産に関する補助が手厚くなれば参入障壁が下がるので流通時のコストも回収しやすくなるでしょう。

ひよこ君

これから日本としても頑張って伸ばしていきたい市場だから、国にも頑張ってほしいね。

あくえり先生

課題はまだまだ大きいけど、解決できると大きなメリットがあるから本当に応援したいね!

まとめ

いかがだったでしょうか。

化学肥料や合成農薬になるべく頼らずに生産された、自然が持つ本来の力を活かしたオーガニック商品は地球環境や健康に良い消費者の新しい選択肢です。

自然環境を守りたい!といった気持ちがなくても、私たちの一つ一つの選択が結果として良い循環につながるのがオーガニックという選択なので、日々の生活に少しずつ取り入れていけると良いですよね。

正しく知って、楽しいオーガニック生活を過ごしていきましょう!

ひよこ君

オーガニックの良さも、これから解決しなくちゃいけない課題もよくわかったよ!これからは消費者として応援の意味も込めて、有機野菜とかオーガニック食品を少しずつ選んでいきたいな。

あくえり先生

自分にできる範囲から、まずは一番手軽な有機野菜を食べてみることがおすすめだよ!
おすすめの宅配サービスについては下の記事を確認してみてね!

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この記事を書いた人

体と心を整えるオーガニックライフ3年目|青森の友人農家から大好きな有機野菜を毎月購入|週末は奥さんとカフェ巡り・飲み歩き旅|夢は有機野菜の農園を作ること|ファスティングを中心に-12kgのダイエット成功

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