「食品添加物は危険だから避けた方が良い」
何となく、そんなイメージをもっていませんか?
ですが、食品に含まれるどの成分が危険な添加物で、どのように避ければ良いのか、いまいちよく分かりませんよね。
今回の記事では、避けるべき危険な添加物について、分かりやすくまとめました。ぜひ最後までご覧ください。
食品添加物の現状
危険な添加物について紹介していく前に、まずは基本的な情報として、食品添加物の現状について一緒に見ていきましょう。
食品添加物とは何か?
そもそも、食品添加物とは一体何なのでしょうか?
食品添加物とは、食品の製造の過程において、添加される成分のことです。食品の製造工程をスムーズにしたり、保存期間や品質の確保のために使用されます。
安全な添加物も存在する
誤解されがちですが、全ての食品添加物が危険な訳ではありません。添加物と一言で言っても、さまざまな種類のものが存在し、中には安全な食品添加物もあります。
食品添加物は、次の4種類に分けられます。
- 指定添加物(合成添加物)
- 既存添加物(天然添加物)
- 一般添加物
- 天然香料
指定添加物(合成添加物)
指定添加物とは、厚生労働省が使用を認めた添加物のことです。合成添加物とも呼ばれますが、化学物質を合成したものに限らず、天然由来の添加物のことも含みます。
既存添加物(天然添加物)
既存添加物は、国内で広く使用されていて、長い間食経験のある添加物を指します。既存添加物には、化学的に合成されたものは含まれず、植物や動物などの天然由来の添加物を指し、天然添加物と呼ばれます。
既存添加物は、厚生労働省の指定を受けることなく、指定・販売を行うことができます。
一般添加物
一般添加物は、一般的に食品としても食べられていて、かつ添加物としても使用されることのある成分のことです。
天然香料
天然香料は、植物や酵母などの自然界の天然成分のうち、香りづけのために使用されるものを指します。
なぜ注意が必要なのか
上記の4種類の添加物のうち、指定添加物、既存添加物、天然香料には注意が必要になってきます。一般添加物については、食品としても摂取しているものなので、特に添加物としての安全性を危険視する必要はないでしょう。
指定添加物は、厚生労働省が使用を認めているということで安心感がありますが、中には調査が不十分という指摘のあるものや、複合的な摂取による危険性が曖昧なもの、海外では使用を禁止されているものも存在します。
石油製品などを原料に作られている添加物が多く、体内で上手く処理されない危険性があります。
既存添加物や天然香料は、化学的に合成されたものではなく、自然由来のものなら安心なのではないかと感じますよね。ですが、「天然=安心」という考え方は少し危険です。
天然成分の中には、毒性の強いものも存在します。天然香料の中には、正体がよく分かっていないものもあり、一概に安心できません。
最新の研究:アスパルテームと発がん性リスク
最近注目を集めている研究に、アスパルテームという添加物の発がん性リスクの調査があります。
アスパルテームは、日本でも多くの商品に使われている人工甘味料です。低糖系の清涼飲料水やお菓子、ヨーグルト、さらに歯磨き粉などにまで使用されています。
2023年7月14日、WHOの専門機関である国際がん研究機関 (IARC) は、アスパルテームの発がん性の分類を2Bに指定しました。2Bは「発がん性がある可能性がある」という段階です。
使用を許可されている添加物であっても、このように危険性が後から発覚してくる場合もあります。
避けるべき食品添加物18
ここからは、危険だと考えられる避けるべき食品添加物について、具体的に紹介していきます。ぜひ食品を選ぶときの参考にしてくださいね。
アスパムテール
前述した人工甘味料です。発がん性のリスクが指摘されています。低糖を謳うダイエット食品などに含まれていることが多いです。
モノナトリウムグルタミン酸(MSG)
MSGと言えばうまみ調味料が真っ先に思い浮かぶかもしれませんが、それ以外にも加工食品全般に含まれています。
モノナトリウムグルタミン酸は、興奮性・神経伝達物質で、過剰な刺激が神経細胞を破壊する可能性が指摘あり、アルツハイマー、パーキンソン病、知能障害、鬱病、不眠症、さらに内臓やホルモンにも影響を及ぼす危険性が指摘されています。
アメリカでは既に離乳食の使用が禁止されています。アメリカではMSGへの警戒は一般的な認識となっています。
亜硝酸塩
亜硝酸塩は、発色剤として使用される食品添加物です。主に、ハムやウインナー、ベーコンなどの超加工食品に使用されています。イクラ、たらこ、明太子、パック野菜などの発色をきれいに見せるためにも使用されることが多いです。
亜硝酸塩には、発ガン性、うつ症状、記憶障害、頭痛などのリスクが指摘されています。
ブチルヒドロキシアニソール(BHA)
ブチルヒドロキシアニソールは、酸化防止を目的として使用される食品添加物です。
ブチルヒドロキシアニソールは、発がん性や生殖機能への悪影響が危険視されています。アメリカのカリフォルニア州では、州法の中の安全飲料水および有害物質施行法において、発がん性リスクのある物質としてリストに記載されています。
ブチルヒドロキシトルエン(BHT)
ブチルヒドロキシトルエン(BHT)も、酸化防止の保存料として使用される食品添加物です。
ブチルヒドロキシトルエンは、目への刺激、生殖機能や胎児への悪影響、神経系の障害などへの悪影響が懸念されています。
プロピレングリコール
プロピレングリコールは、溶剤として使用される食品添加物です。
発がん性、染色体異常、溶結作用、皮膚炎などを引き起こす危険性について指摘されています。また、肝臓、腎臓、心臓、脳への障害が起こる可能性があるともされています。
ポリソルベート80
ポリソルベート80は、乳化剤として使用される添加物です。化粧品などの界面活性剤としても使用されます。
はっきりとした安全性や危険性を示すデータはありませんが、染色体への悪影響、発がん性物質と一緒に摂取することでの胃がんの発症リスク、肉腫の発生の増加や進行の促進などが懸念されています。
カラメル色素
カラメル色素は、着色料として使用される食品添加物です。家で砂糖を煮詰めて作る天然由来のものもありますが、食品に添加されているカラメル色素のほとんどは、薬品を用いて作られています。
カラメル色素を製造する際に、副生される「4-メチルイミダゾール」という物質に、発がん性があることが報告されています。
アメリカのカリフォルニア州では、一定以上のカラメル色素が含まれる食品には警告表示が必要とされています。
ポタシアムブロイド
ポタシアムブロイドは、酵母発酵促進剤です。パンやお菓子などを製造する際に使用されます。
過剰摂取による腎臓への負担や神経系への悪影響が指摘されていて、アメリカでは使用が禁止されています。
ホルムアルデヒド
ホルムアルデヒドは、抗菌剤や防腐剤として食品に使用される添加物です。
ホルムアルデヒドは、添加しなくても天然で存在する物質で、食品に限らず、空気中やさまざまなものに含まれている可能性があります。シックハウス症候群の原因となることや発がん性の危険性が指摘されています。
食品に自然に含まれるホルムアルデヒドは、健康に問題がないとされています。ですが、添加されたホルムアルデヒドを過剰摂取するのは、避けたいです。
タートラジン(黄色4号)
タートラジン(黄色4号)は、食品を黄色に染めるための着色料として使用されるタール色素です。かき氷のシロップやたくさんなどに使用されています。
タートラジンの毒性は認められないとされていますが、動物実験による胃腸や染色体への悪影響の可能性が報告されています。
サンセットイエロー(黄色5号)
サンセットイエロー(黄色5号)は、食品を橙色に染めるための着色料です。他のタール色素と混ぜて使用されることも多く、橙色ではない食品にも含まれている可能性があります。
毒性は認められていませんが、動物実験で胃腸への影響が報告されています。
ヨーロッパでも認可されていますが、最近になって「子どもの行動や注意に悪影響を及ぼすかもしれない」という注意書きの表示が必要となりました。
ブリリアントブルー(青色1号)
ブリリアントブルー(青色1号)は、食品を青く染める際の着色に使用される添加物です。お菓子やジュースなどに多く使用されています。
人が経口で摂取した場合は安全だとされていますが、動物実験で発がん性が報告されています。
インジゴアルミン(青色2号)
インジゴアルミン(青色2号)は、食品を紫に近い青色に染めるタール色素の着色料です。
和菓子に多く使用されています。
ブリリアントブルーと同じく、人が経口で摂取した場合は安全だとされていますが、動物実験で発がん性が報告されています。
エリスロシン(赤色3号)
エリスロシン(赤色3号)は、食品をピンク色に着色するのに使われる添加物です。かまぼこやお菓子の着色に使用されています。
動物実験にて、甲状腺腫瘍や赤血球減少などが見られ、慢性毒性が認められています。ドイツやアメリカでは、食品への添加が禁止されています。
アルラレッド(赤色40号)
アルラレッド(赤色40号)は、食品を赤色に染めるために使用される着色料です。発がん性が疑われており、日本では1991年まで使用が禁止されていました。
アメリカやカナダなどに合わせて現在は使用が認められていますが、使用されている商品は少ないです。製造業者も不安を感じているためだと考えられます。
グリセリンエステル
グリセリンエステルは、消泡剤や乳化剤として使われる食品添加物です。豆腐や乳製品、お菓子などに多く使用されています。
厚生労働省の試験により、高用量の摂取による肝臓及び腎臓の重量、尿中窒素の増加が見られたと報告されています。適量であれば健康を損なうおそれはないとして使用を認められていますが、できるだけ摂取を避けたいですよね。
ソルビン酸
ソルビン酸は、保存料として使用される食品添加物の1つです。
発がん性は認められないとして使用を認可されていますが、他の食品添加物と組み合わさることにより発がん性が出てくる危険性が指摘されています。
添加物を見分ける方法
食品に含まれる添加物を見分けるときに、一番確実な方法は、食品表示ラベルを確認することです。
そう言われても食品表示ラベルは細かい字でたくさん成分が書かれていて、どこを見れば添加物が確認できるかが分かりませんよね。
食品表示ラベルをよく見ると、途中が「/」で区切られています。実はこの「/」以降に添加物が表記されています。
「/」以降の表記が多いほど、添加物がたくさん含まれていることになります。
海外の状況:EUや米国での食品添加物規制
上記に記述したように、日本で使用を認められている添加物の中には、海外で使用を禁止されているものがあります。実は、日本の添加物の認可数は、世界でもトップクラスです。
海外の人から見ると「信じられない!」と言われてしまうような添加物が、日本では認可されていることもあります。
特にEUや米国は、食品添加物に敏感です。「国によって規制されているから」「政府が認めているから大丈夫」といった感覚ではなくて、国民全体が関心を持って、厳しい目で添加物を審査しています。
元々、ヴィーガンの人や宗教的な理由で食べられない食材がある人がたくさん混ざりあって一緒に暮らしている米国では、スーパーの商品や飲食店のメニューでも使われている材料にみんなが強い関心を持っています。
レストランやフードコードで「MSGは入っていない?」「これには、何が入っている?」と聞いている姿がよく見られます。
米国やEUの「自分の身は自分で守る」という個人主義な風潮も関係あるのかもしれません。
私たちができる対策
現在の私達の食生活において、完全に食品添加物を排除することは、ほぼ不可能です。
ですが、「使用が認可されているから大丈夫」とも言い切れないところがありますよね。
情報をできるだけたくさん集めて、添加物を摂取する量を意識して減らしていくことが、自分自身の健康を守るために現実的な方法と言えるでしょう。
できるだけ加工度の低い食品を選んで、自炊をするのも効果的です。水をたくさん飲んだり、定期的にファスティングをしてデトックスを心がけるのもおすすめです。
そして、添加物に対する許容量には、もちろん個人差があるはずです。普段から自分の食べたものと体の調子を意識するようにして、自分にあった食生活を考えていきましょう。
まとめ
いかがでしたか?
危険な可能性がある添加物を知って、できるだけ摂取しないように心がけることが自分の健康を守ることに繋がります。
食品を選ぶ際に、役立てていただければ嬉しいです。